楽しみ方は、パリピから学ぼう
ある日の休み時間。
仲のいい男子数名で、じゃんけんに負けたら一発ギャグをやるという、内輪でしかうけないようないかにも学生らしいゲームを始めた。
ゲームはどんどん進んでいき、ひとり、またひとりと見覚えのあるギャグを披露していった。
ゲームに参加していたみんなは、腹を抱えて笑っていた。
中には、目に涙を浮かべる者までいた。
みんな、心底楽しそうだった。
ただ、ぼくを除いては。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
皆さん、ごきげんはいかがですか?
ちびくろです。
3月に入り、気温が上がり過ごしやすくなってきました。
桜が咲くのが待ち遠しい限りです。
さて、今回は「楽しいことを、ちゃんと心の底から楽しめる人はどういった人なのか」
について、書いていきたいと思います。
冒頭のストーリーを読んで、皆さんはどう思いましたか?
「なんだこいつ、しらけてやがるな」
「冷めてて、おもしろくないやつだな」
そう感じた方は少なくないと思います。
ぼくも、そう思います。
実際に、他の人がこう思っていると知れば、
「もっと楽しめよ」とイラつきながら言うでしょう。
しかし、共感してくれる人がいるのも事実です。
「周りが楽しんでいるのに、なんか楽しめない」
「楽しいんだけど、どこか冷めてしまう」
実は、こう考えている方は一定数存在するのです。
ぼくも、その中の一人です。
では、なぜこのように哀れで浮足立った人間が現れるのでしょうか。
それは、自分のことを客観視しすぎているからです。
自分を客観視すること自体は、悪いことではありません。
むしろ、非常に素晴らしいことで、皆さんに推奨したいほどです。
しかし、ここでぼくが言いたいことは、不要な場面でも客観視してしまうことが
「楽しめない」に繋がるということです。
例えば、感動する映画を観て、目が潤んでも、
「あれ、おれ泣こうとしてるじゃん。なんかおもろいな」と考えてしまい
涙が引っ込んでしまう。
素直に感動すればいいのに、無駄に自分を客観視してしまい、せっかくの心の動きを踏みにじってしまう。感性を理性で押しつぶすことは、非常にもったいない。
ぼくは、想像した。
楽しいことを心の底から楽しめない状態が、一生続いてしまうといったいどうなってしまうのか。
死ぬ間際に、そんな人生を振り返って、ぼくはどう思うのだろうか。
おそらく、顔をゆがめながら、こうつぶやくだろう。
「もっと楽しんでおけばよかった」と。
ぼくは、ぞっとした。そんな人生なんか、まっぴらごめんだ。
そう考えたぼくは、すぐ解決策を考えた。
すると、意外にも答えはあっさりと出た。
客観視してしまっては、冷めてしまう。じゃあ、その逆のことをやればいいんじゃないか?
そう、主観的に物事をみればいいのだ。
「主観的」という言葉は、客観的とは逆に、非難される時に使われることが多い。
が、必ずそうとは限らない。
主観的に見ることは、場合によってはものすごく大事なことなのだ。
楽しいことは、ただシンプルに、感情のままに動けばいいのだ。
自分の目で見たもの、肌で感じたものを、ありのままに感じる。
体験と一体となるのだ。
「いや、理屈は分かるんだけど、結局どうすればいいの?」
そう、問題はそこだ。
分かっていても、実践できなければ意味がない。
実は、いい意味で主観的に生きることが上手な人たちが存在する。
パリピだ。
パリピだ。
パリピなのだ。
パリピと聞いて、あまりいい印象を持たない人もいるかもしれない。
しかし、彼ら/彼女らは、主観的に生きることができる天才なのだ。
素直に、パリピから学ばせてもらおう。
そして、今回は特別ゲストとして、実際にパリピに来てもらっている。
パリピ君(そのまま)だ。
ーーーーーーーーー
パリピ君「うぃっすぅ~ww」
ぼく「こんにちは、ちびくろと申します。よろしくおねがいします」
パ「なにかしこまっちゃってるの、うけるww」
ぼ「失礼しました(笑)。さて、今回はパリピ君に聞きたいことがいくつかありまして、こちらに来ていただきました。早速、質問させてもらってよろしいですか?」
パ「いいよ~」
ぼ「パリピ君は、いつでも楽しそうですよね。どうしてですか?」
パ「どうしてって言われてもww分からんけど、楽しいんじゃね?」
ぼ「質問がおかしかったですね(汗)じゃあ、例えばどういったときに楽しいと感じますか?」
パ「ん~、やっぱクラブいってるときかなぁ?ちびくろちゃんはクラブとかいかねぇの?」
ぼ「あ、ぼくはそういうところ苦手で…」
パ「ぇ~!!人生の半分損してるよそれぇ!もったいねぇ!クラブで踊ってるときはもう最高よ~」
ぼ「そうなんですね!でも、人前で踊ったりするのって恥ずかしくないですか?」
パ「ん?なに言ってんの~?別に気にしないし~、てか自分がむちゃくちゃ踊りまくって楽しすぎだから、そういうの関係ないっしょww」
(なるほど、目の前のことに没頭しているのか)
ぼ「いいですね、うらやましいです…。ぼくなんて、周りのことが気になって仕方なくて、なかなか心の底から楽しめないんですよ…」
パ「は?マジ理解不能ww 別に他人って思ったより自分のことみてないっしょ。そもそも、なんでそんなこと気にすんの?バカじゃね?せっかく金払って楽しみに来てるのに、楽しまなきゃ損でしょww」
(そうか、他人はそんなに自分のことを見ていないのか。自意識過剰だったかな)
ぼ「そ、そうですよね。なんか、恥ずかしくなっちゃいました。」
パ「そうそう!そんなのいちいち気にすんなって!!
あれ、あぁ、もうこんな時間かよ!長ぇよ話がぁ!ったくよぉ、あぁ、踊りてぇぇえ!クラブクラブぅ~!!」
彼は、まるで赤旗めがける闘牛のように、二分ほど滞在したこの部屋の出口につっこんでいった。
ぼくは、部屋にひとりポツンと残された。
しばらくの間ぼうぜんとし、そして苦笑した。
ーーーーーーーーーーー
短い時間であったが、ぼくはパリピ君から多くのことを学んだ。
・自分の目の前のことに没頭する
・他人は、思っているより自分のことを見ていない
・楽しみに来ている場所なのに、楽しまなきゃ損
分かってはいるが、実際にはできていないことばかりだ。
ぼくは、これらを実践していこうと思う。
もちろん、人に迷惑をかけない程度に、だ。
一番いいのは、主観と客観を場面に分けて使い分けることである。
自己を分析したり、大事な決断を下すときは客観。
息抜きや、楽しむべき時は、主観。
すぐに慣れることは難しいと思う。
そんなときは、パリピ君を思い出そう。
人目を気にせず、弾けるような笑顔で踊り狂っているパリピ君を。
パリピ君は、いつでもあなたの心の中にいる。
てか、
パリピ君って誰やねん!!!
(完)