ちびくろ日記

小さくて色黒、平凡な大学生の日常。

ぼくの前世はクリスチャンだったのだろうか

ぼくは、漫画が大好きだ。

 

同じ一冊を、何度も何度も読み返す。

新刊は、買った日に二回以上は読む。

 

漫画は面白いし、勉強にもなる。

読んでいるときは、何もかもを忘れて漫画の世界観にのめりこむ。

 

ちなみに、実家には『MAJOR』『キングダム』『ダイヤのA』『ワンピ―ス』等の少年漫画が全巻揃えられている。

 

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ここで、漫画好きな読者の皆さんに質問です。

 

 

 

 

漫画のキャラクターって、めちゃ憧れません!!??

 

 

 

 

はい、そこのあなた正直に。

 

 

 

おそらく、この質問には大半の人が手を挙げると思う。

特に、男性読者の皆様。

 

 

 

小さい頃、漫画を読んでは、必殺技をマネしてみたり、

 

 

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キャラクタ―のセリフをぎこちなく言い放ったこともあるだろう。

 

 

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わかる、その気持ち、わかりすぎる

 

漫画のキャラクターは、とにかくかっこいい。

白黒の絵が、ぼくの目にはキラキラ輝いて見えた。

 

 

 

そんなぼくに、一番影響を与えた漫画が『ワンピース』である。

 

 

初めて読んだ時から長い時間が経つにも関わらず、今でも胸を躍らせながら新刊を待っている。

 

 

その『ワンピ―ス』は、海賊という壮大なテーマで物語が描かれているため、

よく「お酒」「タバコ」が登場する。

 

 

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典型的な少年漫画脳のぼくは単純だった。

 

 

 

 

しぶくてかっこいい、ぼくもやってみたい。

 

 

 

 

当時はまだ10歳にも満たなかったので、もちろん法律で禁止されている。

が、その反動で余計に想像を膨らませてしまうのである。

 

 

お酒はどんな味なのかなぁ。ルフィたちがあんなにおいしそうに飲んでるから、きっとすごくうまいに違いない。

 

タバコは、どうなんだろう。ぼくもタバコを吸えば、サンジみたいにかっこよくなれるのだろうか。

 

 

幼心ながら、大人だけの楽しみ、かっこよさに思いをはせた。

 

 

 

 

 

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時が経ち、ぼくは20歳になった。

 

目の前には、事前に準備しておいた缶ビールとタバコが並べられている。

 

 

 

ぼくは、ものすごくワクワクしていた。

バレンタインの日に登校後自分の机の中を覗き込む瞬間ぐらいワクワクしていた。

 

 

 

これで、ぼくも海賊王になれる。

 

 

 

 

その言葉の論理が破綻していることなど気にせず、ぼくは缶ビールのノブに指をかけた。

 

グッと指に力を入れた瞬間、「プシュッ!」と心地よく爽やかな音が響いた。

グラスにそそぐと、白いフワフワした泡がグラスから出まいと土俵際で踏ん張っている。

 

太陽のようにまぶしい黄色と、澄んだ空に漂う純白の雲のような白、

 

 

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美しいコントラストに、ぼくは思わず息をのんだ。

 

 

 

これだ、これだよ。

 

 

 

 

少し震えた手でグラスを持ち、ふちをそっと唇にあてる。

 

 

 

 

 

長年の夢、ここで叶えたり。

 

 

 

 

そう心の中でつぶやき、一気にグラスを傾けた。

 

 

 

 

 

 

 

っ…!!??

 

 

 

 

 

 

 

 

一瞬、何が起こったかわからなかった。

 

 

 

目の前に視線を移すと、そこには飲んだはずのビールが散乱していた。

 

 

舌に残るかすかな味を、もう一度確かめてみた。

 

 

 

マズいっ!!マズすぎるっ!!!

 

 

 

そんなばかな。あんなに恋しく待ち焦がれたビールがマズいはずがない。

 

 

 

もう一度グラスに視線を移し、残っていた黄色い液体を口内にぶち込んだ。

 

 

 

 

 

 

吐き出した。ぶち込んだ分量を、きっちり吐き出した。

 

 

 

まじかよ…

 

 

ぼくは数分、その場で立ち尽くした。

 

 

 

何年も我慢し待ち続けたものが、こんなものなのか?

 

 

いや、まだだ。

まだタバコがあるじゃないか。

 

 

ぼくの目は少しずつ輝きを取り戻し、用意していたライターとタバコに手をかけた。

 

火のつけ方を軽くYouTubeでおさらいし、頭の中でイメージした。

 

あとは、心の準備である。

 

そう、数分前に、ぼくは盛大に裏切られたばかりである。

 

 

 

 

負の考えが頭の中を駆け巡った。

また裏切られるのではないか。

 

 

 

いや、待て。サンジも周りの大人も、あんなにおいしそうにタバコを吸っているではないか。

大丈夫、怖くなんかない。皆がついている。

 

 

 

 

ぼくは覚悟を決めた。

 

 

 

 

タバコを口にくわえ、ライターで火をつけた。

 

 

 

そして、YouTubeの流れに従って、大きく息を吸い込んだ。

 

 

 

 

 

 

っ…!!??

 

 

 

 

 

 

こ、これは…!?

 

 

 

 

 

 

 

 

悲劇の再来である。

 

 

 

のどはイガイガ、目には涙が浮かんでいた。

 

 

 

 

 

 

「おいタバコ、おまえもか!!」

 

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カエサルばりのセリフを残し、ぼくはその場にうずくまった。

 

 

 

 

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その後、ビール、タバコともに7回は試したが、全てマーライオンであった。

 

友人は慣れだと教えてくれたが、ぼくにはできなかった。

 

 

他のアルコールでもすぐに顔が赤くなり、氷結2杯でお疲れ様である。

 

 

 

ぼくは、悩んだ。

ゾロのような酒豪に、サンジのようにタバコを吸えるように、なりたかった。

 

理想と現実のギャップに頭を抱えた。

 

 

 

 

 

 

そして、悩みに悩んだ末に、ぼくはある仮説にたどり着いた。

 

 

 

 

こんなに酒とタバコができないぼくの前世は、クリスチャンだったのではないか。

 

 

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いや、そうだ。そうに違いない。

厳格に私欲を禁じた影響が、前世の自分から受け継がれているのだ。

 

 

そう、この体質は「前ちびくろ」がストイックな生活の末に勝ち取った、勲章なのである。

 

 

 

 

 

半ば強引に結論づけたぼくの体には、不思議な力が満ち溢れていた。

 

なんだ、この感覚は。

 

ふと空を見上げると、そこにはまばゆい光の道が開かれていた。

 

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まるで、ぼくを祝福しているかのようだった。

 

 

ぼくは嬉しくなり、思わず手を伸ばした。

 

 

そして、その方向にゆっくりと進んでいった。

 

 

 

 

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はい、この記事で結局なにを言いたかったかというと、

 

ぼくはお酒もタバコもできないよ、ってことです。

 

 

最初はもちろんがっかりした時期もありましたが、今は

コスパめちゃいいやん」ぐらいの感覚で開き直って過ごしています。

 

 

お酒やタバコ以外でも、楽しいことはたくさんあります。

 

強要されても断りましょう。

健康にもよくありません。

 

 

周りに合わすことなく、無理せず自分のペースでいきましょうぜ。

 

 

 

 

 

でも、

 

 

 

 

 

 

 

 

やっぱ憧れるよなぁぁぁぁぁああ!!!!

 

 

 

 

 

 

(完)