ちびくろ日記

小さくて色黒、平凡な大学生の日常。

ぼくは自分が誰なのかわからない

「それじゃあ、今までで出た案を一旦まとめようか」

 

40人弱の目線を浴びながら、ぼくは言った。

要点を一通り確認し、書類を整えるように大事な箇所を並べていく。

 

クラスの意見がある程度固まったところで、チャイムが鳴った。

 

 

その瞬間、ぼくは一息つき、「委員長」という仮面を外す。

 

 

そして、何事もなかったかのように友人と運動場へ遊びに行く。

 

 

 

 

外は鼠色に包まれていて、少し肌寒かった。

 

皆はそんなことを気にするそぶりは一切見せず、広く開かれた黄土色の空間へ突っ込んでいった。

 

ぼくは靴ひもをむすび、最後尾から彼らの後を追った。

 

 

 

 

サッカーのチーム分けは、他の友人が仕切ってくれる。

先ほどのクラス会議では、ひとことも発さなかった彼が。

 

皆の目線は、彼に集中している。ぼくを見ている者は、だれもいない。

 

 

指示に従って、それぞれのチームに分かれていく。

チームが決まったものから、仮面を被っていく。

 

 

ぼくには、「赤チーム2」の仮面が渡された。

 

 

前回同じチームだった彼は、今回は敵チームに所属している。

 

 

ぼくは、その役割を全うした。

 

 

チャイムが鳴り、ぼくたちのチームの勝利が確定した。

 

 

 

先ほどまで敵同士だった者たちが、楽し気に教室へ戻る。

 

 

机といすが無機質に並べられた、秩序立った空間へ足を踏み入れる。

グッと狭く感じられた。

 

それぞれがまた自分の席に着き、次の授業の支度を始める。

 

 

教師がぼくらの箱の中に入ってきた瞬間、

「委員長」という仮面を被り直し、

 

「起立!」

 

と号令をかける。

 

 

 

皆が立ったか確認していると、窓の外の光景が目に入ってきた。

 

 

風が吹き荒れ、育てたアサガオが大きく吹き荒れている。

ザーザーと激しく音を立て、外界が真っ白に見える。

先ほどまでいた運動場が、大きな水たまりと化している。

 

ぼくは気にせず、前に立つ、教師と書かれた仮面を被っている者に視線を戻した。

 

 

「気を付け、礼!!」

 

 

突如、窓側から、轟音とともに教室を強烈な光が包んだ。

 

 

 

その光は、ぼくらの仮面の奥底を、照らした。

 

 

 

 

 

 

 

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皆さん、ごきげんはいかがですか?

ちびくろです。

 

 

突然ですが、皆さんに質問です。

 

「あなたは、自身の本当の素顔を知っていますか?」

 

 

どうでしょうか。

 

 

 

 

実をいうと…

 

 

 

 

 

ぼくは、わかりません。

 

 

 

 

わからないんです。

二日酔いになって一生お酒は飲まんと言った当日にシャンパンあけるやつぐらいわからないんです。

 

 

わからないことが普通なのか、異常なのかもわからない。

 

 

 

わからないという文字が多すぎて、少し気持ち悪いですね。

 

 

 

これから書くことが、仮に

あなたにもあてはまれば共感していただければ、

異質だと思えば、こんな人間もいるんだなぐらいの気持ちで読んでいただければ嬉しいです。

 

 

 

 

 

 

さて、話に戻りましょうか。

ぼくは、自分がわからない。というのも、

環境や人をみて、自分を変えちゃうんですよね。

 

 

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グループでまとめ役がいなければまとめる役になりますし、

いれば一歩引いて全体を俯瞰したりする。

 

 

本を読んでいても、

「この旅人のように色んなことを経験してみたい」

「いや、この職人みたいに一つのことに秀でるのもかっこいいなぁ」

 

など、影響されまくりです。

 

 

 

あたかも、いろんな仮面を被るように。

 

 

 

 

良くいえば「柔軟性がある」

悪く言えば「軸がブレッブレ」なんですよね。

 

 

 

恥ずかしい話です。

 

成人にもなって、明確な自分を持っていない、

将来なにがやりたいのかもわからない自分をクズだと思っています。

 

クズ中のクズ、底辺わっしょい。

 

 

 

 

大して広くもないくせに浅く薄い人生を送ってしまうのか。

 

 

いやだ、そんなのはいやだ。

 

 

ぼくは、悩みました。

朝から昼、昼食を済まして昼寝、自由時間を過ごし、夕方から夜まで、ストレスのかからない程度に悩みました。

 

 

すると、ひとつの考えが浮かびました。

 

 

それは、

「まずはある程度仮面を増やして、後からしっくりくる仮面を選べばいいじゃん」

です。

 

 

 

少しだけ、この記事で書いたことと被りますが↓↓↓

yoshi0904ja.hatenadiary.com

 

 

 

 

 

そう、まずは、これまで短所だと思っていた軸がブレブレフィーバー状態を活かして、

とにかく何でも経験してみようと思いました。

 

 

勉強会に参加してみたり、お金がらみの人間の裏の顔をのぞいてみたり、

カフェで優雅に読書をしたり、クラブで汗だくになるまで踊ってみたり、

アプリ開発の手伝いをしたり、カメラを始めたり、ブログを書いてみたり、 etc...

 

 

 

面白そうなものには、とにかく顔を突っ込んでいきました。

 

 

 

そうしているうちに、以前の二倍以上の仮面がぼくの手元にありました。

 

 

一貫性のない、色とりどりの仮面が。

 

 

 

環境に従って変化する自分に抗わず、感情に素直になった結果です。

 

 

 

その多種多様な仮面を眺めているうちに、ぼくは、あることに気づきました。

 

 

 

「あ、ぼくは派手な仮面はあまり好きじゃないな」と。

 

 

 

自己理解への一歩を踏み出した瞬間でした。

 

 

 

 

 

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ぼくは、まだまだ自分を理解してはいません。

スタートラインにすら立てていないかもしれません。

 

 

ですが、それに悩んで何もしなければ、本末転倒です。

 

 

なので、ぼくはとにかく仮面を集めることにしました。

 

 

その仮面が合うか合わないかは、着けてみなければわかりません。

 

まずは、着けてみる。

そして、取捨選択をしていく。

 

これが、今のぼくが見つけたベストな方法です。

 

 

 

ぼくは、仮面の数もまだまだ足りないですし、しっくりくる型を見つけたわけでもありません。

 

 

 

ですが、そのための努力は怠ってはいけないと思っています。

 

 

 

自分だけの仮面を見つけ出す、その時まで。

仮面の力を借りずに、自分のありのままの姿で過ごせる、その時まで。

 

 

 

いつか、仮面を外せることを願い、今日も新たな世界に出かけようと思います。

 

 

 

それでは、いってきますね。

 

 

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